暮らしと美意識

軽井沢・中央工学校、南ヶ丘倶楽部において、
下重暁子先生の講演会に、行ってまいりました。

先生は、「藍木綿の筒抜き」のコレクション展も
同時に開催されており、拝見いたしました。

講演会は、
「日本人の暮らしと美意識」についてのお話で、

仕事は楽しく、趣味は真剣にという、
先生のポリシーについて話されたあと、

本題に入りました。

藍染コレクションを始めるきっかけとなった、
三朝温泉木屋旅館に飾ってあった藍染に、
一目惚れして、女将さんに無理を言って、
譲っていただいたと始まるそうです。

いま、東京オリンピックが話題ですが、
江戸、日本の起点になり日本橋の
真上に高速道路を建設して覆い隠す、
ようなものは、文化文明とは言えない。

先生が、藍染を好むのは、
藍が江戸庶民の文化だからだそうです。
庶民は、木綿や麻、色は白と藍、
お祝いのときだけ、朱を入れることを許された。
名もなき紺屋の職人さんが作り育てた、
藍染めこそ、日本、江戸文化である。

こうしたものは、遠くから眺めるのではなく、
手で触って感触を味わっていただきた。

鎖国していた、300年間の江戸時代、
庶民文化が醸造されていきました。

帯を締めるようになったのも、
ファーストフードとして片手で簡単に食べられるお寿司、
俳句もまたしかり、
もみじがり、月見、花見と、自然を愛でる文化、

昔の人は、モノを見る目をもっていた。
こうした目(基準)を養っていただきたい。

東京オリンピックではなく、江戸オリンピックとして、
素晴らしい日本文化を世界の方々に紹介する
いい機会になる。

というお話でした。

あっという間の、1時間半の講演でした。